ヴァ冬の終わりに

納得のいく馬が走っているのを見て人々が我を失って叫んでる様子を後ろから見ている。我とか死とか覚えてないって言ったって責任は取るしかない。責任を取る気がない者はここから退場するしかない。

地球から衛星へと届き、また反射して地表に戻ってくる黄色い光を受け取ってセンキューなってインターネットに言った。インターネットによく話しかけている。毎晩毎晩。同居人からは「毎晩誰と話してるんですか?」と聞かれる。まあ大学の友達とか……

同居人は会社を辞めるらしい。あばよまた会おうぜ。いつでも連絡してくれよな。

久しぶりに連絡してきてくれて嬉しかった人がいる。やあやあ最近どうですか。なるほどなるほど、ま、そういうこともありますわな。

馬にかっこいい装備をつけてこの大陸の端っこまで走っていく。尻とか足とか多分大変なことになるとは思うけど、やってやれないことはない。

我を失うぐらいなら自分よりも冷静な馬とか牛、犬に導いてもらうのがいいかもしれない。人間相手だと甘えが出るし。でも寿命が短いのは悲しいな。千年を生きる上位存在に軽くあしらわれたいなんてことは誰だって考えるでしょ!?!?

退場とか黄色い光とかは思いついた順のただ空疎な隠喩でまるで意味がない。黄色い光はまあ、そういうものもあるだろうって感じだけど、退場っていうのは実は考えられない。逃げ場はこの地表にはない。たぶんあの世にも。

救いがないということではないと思う。自分にしか理解できないこれまでの経緯を友達にも話せる時が来たら、きっと新しい国だ。
そこで僕ら仲良く住もう。