シン・エヴァンゲリオン

以下は当然ネタバレありだ。

 

 

神木マリエンドは予想もしていなかった。一番ショックだったかもしれない。

「そこ絡みないじゃん」というツッコミはさすがに織り込み済みで、好意的に取るならその場その場で出会った人同士でもうまくやっていけるさというメッセージととれる。

いやマリはいいんですよ。マリは本当にいいキャラクターだと思うし普通に好きだ。

マリエンドに組み込まれたアスカとの「昔好きだった」というやりとりの定型っぽさが受け入れられないのであって……

なんだよケンケンって!!

 

キャラクターとしてはサクラがめっちゃよかった。延々と浪花節(?)を続けてほしい。

 

ドラマとして新しいことをやろうとしていた感じはシンよりもQの方が強くて、あの飲み会で記憶がなくなるまではしゃいだら次の日から周りが異様によそよそしくなって居心地の悪くなるニュアンスの繊細さが今回は足りなかった気がする。

そもそも登場人物が多すぎ説明台詞が多すぎてこれはもうドラマどころではないなという感じだった。

 

アニメーション的には旧作映像のリミックスにそれなりに注力されていたと思うが、2018年のエウレカANEMONEでの手法よりも劣ると言わざるをえない。ANEMONEのカタルシスを超えるためには膨大な量のエヴァ二次創作をひたすら継ぎ接ぎするしかなかったのではないか。あとカラーの外観を延々と映すとか。

 

戦艦戦の劇伴がポップで爽快感あったのはかなりよかった。エヴァの劇伴は気に入らないことが多いが今作は全般的にかなりお気に入りのサウンドトラックだった。

 

空中で延々とカメラがぐるぐるするのは途中ついていけなくなった。Qのアバンタイトルぐらいの塩梅がちょうどよかった。

13号機と初号機が取っ組み合ってセットをぶち壊すのは大変よかった。

あとゲンドウのオプティックブラストも最高だった。

 

大人になれよというメッセージを発しながら実際にキャラクターが大人になる様子まで見せつけてくれるのは整合性とれてると思うんだが、一方で中二病な長台詞だったり派手でキッチュなロボットプロレスをオミットできないのはやはり未成熟もいいところなんじゃないかと思う。

これでエンディング、と誰もが信じているが、いつまたエヴァンゲリオンが再開されるかは誰も預かり知らぬところであり、未成熟な作り手とファンの共依存はいまだ終わらざりしと思わずにいられない。本当にこれで終わったのか? 本当に?

 

総じて新劇の中ではQが一番好きだったなと思った。