ウタハマア

前提として加速している。資本主義の終わりに向かってか死に向かってなのかわからない、目的がわからないが、運動体が加速しているということはわかる。世界が静止しすぎているだけで、こちらとしては普通のことだと思うのだが。

通り過ぎた場所も覚えていない。ただ書いた痕跡だけが点々と残る。

いくつもの機会で、選ばれなかった者として、同じく選ばれなかった者たちのために歌い続ける。音痴って言うなよ。誰も小さい僕に歌を教えなかったんだから仕方がない。

下手な歌とクソな書記、ごみみたいな語りで参上、ここが俺らの時代。
「令和ってどんな時代でした?」
「覚えてないけど文章書いてたよ」
「へー(どうでもいい)」

本題には入らない。序文と後書きだけ取り出して語り続ける。序文と後書きが一番好きだから。謝辞は読み飛ばす。エピグラフは読むけどすぐに忘れる。

もう会わないクソやろうどもを感動させるための文章を書いてる。

柔らかい心のイメージは螺旋を滑り落ちる子供のイメージで段々速くなっていく移動の中で酔っている。ううううううううううううう。

ついに降り立った地面の揺るぎなさに心から安堵しつつも、やがて地面が丸く、球体で、自転し公転していることを知ると、気持ち悪くなる。

乗り込んだ飛行機の方がまだわかる。いやどうやって飛んでるのかわからないけど。

地面に向かって加速する螺旋や飛行機(どちらでも同じことだ)で通り過ぎた場所に書記を残してきたが、歌を歌っても誰も聞いていないからそうしたのであって、時代の話も時々はしつつ、適当な文章をプリントアウトして持っていく同人誌の交換会で座っているともう会わないくそやろうやこれから会えるくそやろうのことを考えて胸を熱くし、柔らかい心は満ちているから、また選び直せばいいから。

続けて?