chase you

とても生産的とは言えない日々に、昼に、あなた/あなた方の影をそこかしこに見る。影を追っている。

すべては心の中だと髭は言ったが、まさにずっと心の中、自分の記憶を辿っている。

自分の記憶、大好き! 苦しかった頃のことは思い出せない。

あなた/あなた方は記憶の中で様々なことを言っている。妄想の中で色々な話をしてくれる。妄想と現実の区別がつかない。

時々会ってほしい。現実ってこんなもんかよくもわるくも、と思わせてほしい。布団の中と窓の外の温度の違いを確かめてさせてほしい。現実と記憶の擦り合わせをして大人になりたい。


時々会ってる。自分の記憶の欠落に気づく。忘れるために書いてるからあたりまえだ。書かなかったことはあなた/あなた方が覚えていてくれ。くれよ。


そろそろ妄想の中で何をしているのかも語れそうだ。墓までの秘密、あとどれぐらいあるだろうか。口は軽い、手は重い、部屋は狭い、墓も狭かった。

語るべきじゃないかもしれない。


性は現実に存在する。セックスイズリアル。

性について語らないで済む連中は──つまりシスヘテ男性たちのことだが──性を見えないものとして扱うが、それは金持ちが搾取について語らないで済むようなもので、不正義のシステムだ。

正義のため、性について語る。口を開かせる。溢れ出る言葉を書き留める。流れ、流れがある。

妄想もまた現実に存在する。アイアムパラノイア

妄想については語らない方がいいか? 正義がわからない。ただ、書かずにはいられない。言葉が溢れ出る。


一緒に来てほしかった。プリーズカムウィズミーって言った。

もうあなた/あなた方を追えない。アイドントチェイスユーって言う。


話ぐらいなら聞くよ。どうせ墓までの話でしょ?