読んでるよ

朝吹真理子の上手すぎる文章を読んでいて、夏目漱石とかが相手ならまあ歴史上の人物だしな……と思ってスルーできるけど、朝吹真理子は普通にスマートフォンを使う上に2ちゃんねるの将棋板とか見るぐらいに現代人で、嫉妬するとかでもなく、いやもしかしたらしてるのかもしれないけどとにかくまったく違う世界という感じがして、でもこのような文章が既に存在する世界に僕も生きているというのがリアルで、どうする? ってぐらいどうする? ってここ数日考えていて、もう別に生まれや育ちや最近流行りのワードで言うなら文化資本とかに関しては真の貴族相手に嫉妬することもなく、いやしてるのかもしれないけど、とにかく僕にはなんもなくて、まずアイデアがない、テーマもない、キャラクターとか知らない。文体はあるよねって言われてるけどこれはまだチャンピオンの文体ではないと思って全然納得してない、センスとか才能とか努力とか色々空疎なことがしばらく身体を通過していくしiPhoneも通過していった。それでどうする? という問いは僕一人に向けられたものではなくてこの時代を構成する書き手と読み手のすべてが抱える一つの問いでして、誰よりも現代的であることでとりあえず姿を作りたい。問われたから答えないといけないしモゴモゴと肉体から精神までが変異して誰よりも書けるっていう話。僕、違う生き物になったよ。