知り合いが病んだ

知り合いが病んだらしい。

僕も場数は踏んできたつもりだ。身の回りで言うと十年ぐらいかけて数十人が病んできたと思う(正確な数字は覚えていないが)。僕自身周りの人間にケアされ、そして周りの人間をケアしてきたつもりだ。

とはいえ例えば留年が決まったとか、診断がおりたとかいう当日になにか意味のあることを言ってやれるかというと、未だに難しい。何も言えることなどないのだ。

意味があるかはわからないが、言ってやりたいことはいくらでもある。無理はしないでほしい。今は休む時だから休んでほしい。休んだとしても必ず社会に復帰できるから安心してほしい。睡眠が特に大事だから、寝れてなかったら医者に相談してほしい。

長い付き合いの中で何かまともな言葉の一つでも言ってやれたら、僕が生きてきた意味というのはその人との関係において生まれる。

落ちるか落ちないか微妙な淵に立って絶望を覗き込んでいる人が僕の周りに数百人いる。その人たちの顔つきはみな違う。僕は見ている。


幸いなことに亡くなった人はまだいない。僕が知らないだけかもしれないが。