リニアな

書くことで前に進みたい訳だから、書くことで後ろに進むようなことがあってはならない。ていうかどっちが前かわかんねえよ、まあそれはそうかもしれないけど言い換えると、書く前と書いた後を比べて多少なりとも立派な人間になっていることかな。僕が思う立派な人間というのはよく捨てる人間だと思う。語りに要らないものを捨てて、世を捨てて、人生そのものを捨てて、それでも残ったものを仕方なく肯定する。
とりあえず書く、の前にそもそも書かなくていい出来事をできるだけ忘れる必要がある。ほとんどすべての出来事は別に書かなくていい。僕は捨てる。誰か他の人が拾ったらいいと思う。
書けないなら書かないのが正しい。書けないのは苦しいが、書くことで後ろに進んでしまうぐらいなら甘んじて受け入れるべきである。