スィー

炭酸をグラスに注いでから一年が経った。気が抜けるを通り越して水の跡、垢? を残しながら水位が下がるほどの。
飲もうという気が起きなくて、それよりも大事な言葉の端々に意識がいっており、グラスをいたずらにベタベタ触りはするものの、飲もうという気が起きなかったのは見ればわかる。
きみがぼくのことをどのぐらい見ていたかはわからないが。

僕にしたって、これでいい小説が書けるな、これではいい小説は書けないなの二つだけで、会話に飛び込むから、小説! 以上の成果は得られず、セックスは得られず、お金も得られず。われ、燃えられるほどの絵図。割れるほどのA to Z。

███にして██、過去の人間関係を見てもだらしがなく、信頼に値しない人格なのかもしれない、と僕が自分を蔑むと、それで傷つく人が周りに複数いて、蔑まないように、たかだか██と言うようにしている。ほとんどパフォーマンスの人。

一年間何も飲まずにここまで来たのは禁欲とか、抑圧とか、欠乏などによるものではなく、忘れていただけ。愚かではある。

グラスを見ていたのではなく、炭酸の泡をみるでもなく、きみの顔だって目に入っていたか怪しい。

アー・ヤ・シー、今年の愛もまた去年の嘘になる。
グラスに水を注ぎ直して、こんどこそ飲み干す。