20220621

この五年間で美しいものをずいぶんたくさん見たと思う。 それらを少しも損なわず、自分の責任のもと、表現していくのが、立ち会った者のやるべきことだと思う。悪いものもたくさんあったし、個人的な地獄のいくつかを実際に見たこともあった。あなたの底の方…

好きなもの

小説家 デイヴィッド・マークソン トマス・ピンチョン ジャック・ケルアック 円城塔 朝吹真理子 舞城王太郎 夢野久作 樋口一葉 村上春樹 高橋源一郎 伊藤計劃 映画監督 庵野秀明 今敏 新海誠 クリストファー・ノーラン 黒沢清 宮崎駿 ジム・ジャームッシュ …

指のみこ

きみの手を食べたらきみの書く文字や描く絵、出す音、作る料理をぼくもできるようになるかな。きみが死んだらきみの五本の指を、五人の友人と分け合って、各々食べてきみと生まれ変わる。 残りの指は親族に返す。きみの指はだれかを殺したことある? 感触は…

神をおろす

徹底的に狂いたいが、諌められている。仕方がないので計画的に狂うこととする。計画的狂気は安定した収入と規則正しい生活に裏付けられる。 計画とはとても言えない行き当たりばったりの末、最近そのようになった。 ここまで長かった。 とても。狂うことが目…

こあから座、ふる。ふるいしにし

20代の間に賞がほしい。賞さえあればKDPで作品を発表しつつ営業活動してファンを地道に増やすとかできるようになるから。20代の間に賞がほしいニャンねえ……仕事は今のところ順調だが、自分の体調はいまいち信用できない。いつ無職に戻ってもいいように心構え…

古いといえば古いが

古代帝国の遺構に住み古い生物の化石を収集して過ごしている。いくつかの手続きさえこなせば十分に実現できる生活であり、気に入ってはいるが、結局大都市の真ん中の小さなアパートに住むのと何が違うのかと考える。 どこにいても、何を手にしても、つきまと…

インプレッション・ファースト

今の時期に自分がやるべきことは一人でも多くの人と話すことだと考え、そのように振る舞っている。うまくいかないことも多いが、幸いにも友達はずいぶんと増えた。みんなありがとう。僕のような生き方をしている人のクリシェに「第一印象がすべてだ」という…

私、ケア

お互いにケアしあうことを望んで関係を結ぶ。「最近の調子はどう?」という導入から、健康の話へ、生活環境の話へ入っていき、人生に辿り着く。僕の場合、そこに恋愛を絡めたりするから、非常にいかがわしいことをしていると冷たい目で見られることがある。…

発狂飛び

気楽に気楽にビールを飲む、いずれ臓腑を痛めつける量を。解釈次第で何者にもなれたあの頃から十数年、解釈すらできない想像力の貧困に行き着いた。なにともなく、どうともなく。あるいは、理想かもしれない、ただ生きるという理想。「重要なのは、」と念を…

文体紹介

最近色々な人と知り合うことが増えてきたので、自己紹介記事をネットに上げるべきだと思うが、個人情報をどこまで晒すかという点において踏ん切りがつかない。とはいえ自分の個人情報の取り扱いについて神経質になっているという訳ではなく、むしろ無頓着で…

風らしく川を滑り

風らしく川を滑り、山を揺れる。速度が十分に出ているからこそ。人工的な構築物のうちいくつかを誰よりも舐め回したから、テクスチャについて全てを覚えている。変態的に家に住んでいたことが誇りだった。風は靴を履かない。風は何も身につけない。弾丸だっ…

20220408

いつか書くライフハックの結論を考えながら布団の上で揺れている。いつか書くとしたものはすべて書かれる、どうせ書かれるのだから今は別に手を動かさなくてもいいといって後退する。今は今、できることだけ……書けない詩篇、書けない長編についての文章を書…

20220402

「春」の一言で許してはいけない。浮かれとる僕らの新しい話し方は書き留められもせず、その場凌ぎのワンテイクで。「Twitter」と一言言ってくれれば相互フォローになれるさ。これから(こっから)よろしく(ハーイ)。

20220401

まだ平気だぜ。どんどん書く。かつての僕なら、四月の爽快さをブログに綴る所だったが、今はもう書けない。年々書けない範囲が広がっている。書ける範囲の方はというと広くなっているのか狭くなっているのかよくわからない。もきゅもきゅとしたツイートを日…

出、口の方へ

道の選び方は無作為だった。思慮はなく、歩き始める時に右足と左足どちらからにしようかと考えないぐらいに無意識だった。振り返って、足を引きずった後を見返して、これが道だったと言うことができる。それしかできない。同じ道を何度も歩み直している。足…

二度と鳴らない曲

たたた、大したことない鏡にうつった顔を見て、髪を洗って、陰部を洗ってお湯で流す。 バスタオル。レクイエムって名前の曲を昔聞いたことがあるけどYouTubeで検索しても出てこなかった。二度と存在しなかった音楽だったのかもしれない。 代わりに出てきた音…

20220325

僕の喋る範囲はワイングラス一つ分しかないから、大きくなったとしても一人の人間が一息に飲み干せる量しかないから大丈夫。 中身の入ったワイングラスを気に入らない目の前の人間に向けてぶちまけたら、部屋一つぐらいは台無しにできる。 ワインというのは…

小説の読み書き

プロとして、文章作品、映像作品は幅広く渉猟しようと思っている。TLで話題になっている作品はなるべく抑えたいし、人からおすすめしてもらった作品はすべて把握したい。年々カバーする範囲を拡げないとトレンドを作り出す側には回れないと思う。一方ですぐ…

今読んでいる本

[樋口恭介]編『異常論文』ハヤカワ文庫JA、2021年。 ニック・ランド著、[五井健太郎]訳『暗黒の啓蒙書』講談社、2020年。 [木澤佐登志]『失われた未来を求めて』大和書房、2022年。 [円城塔]『プロローグ』文藝春秋、2015年。 [伊藤計劃]・[円城塔]『屍者の…

20220318

結局は体力の問題で超人的なパワーを得ないと話が前に進まない。 文字を読み書きする圧倒的な力が欲しい。 読む量も書く量も圧倒的に足りていないと思う。人と思えぬ実力を求めるのだから、人の形を取る必要は必ずしもない。人であることをやめる瞬間が来る…

20220317

無碍にはできないメッセージがボストンから送られてきたから仕方なし読んでる。読むのは愛情ではない。強いて言うなら人類や運命に対する広い愛情ならある。使命感と言うべきだと思う。メッセージ曰く、感性の戦争を防げ、とのこと。テネットを観たばかりだ…

ひみたい

君とひみたい。まだ辞書に載せてない単語で関わりたい。僕と一緒にいたら色々新しい言葉が生まれて楽しいよ。君は意外と常識的な日本語を操るから話してて楽しい。僕の日本語はよくどるねるからきっと疲れるだろうけど。 ひみたいとしか言いようがないけど僕…

デイタイムの停滞は手痛いって言った?

いくつかの信念の束としての私は時によって場所によって異なることを語りたがりともすれば一貫性のない人間のようにも捉えられるし実際意識や記憶のレベルですら連続しているか怪しい私でありその信念は束ねられるように秩序づけられてすらいない集まりであ…

20220311

教えるように書いている。物語の叙述ということを全然知らないアナタへの最初のガイドラインになっていくこの文体。 アナタは構成をまだ知らない。最初に惹きつけて、徐々に浸透させて、最後にひっくり返して、ナニやらスゴいモノを読んでしまったゾ、と思わ…

20220309

人生が前に進んでいかないことへの焦りや不安感が大きい。 今の僕にはまだ見えていないものがたくさんあるからそれを見に行きたいのに、実際には部屋でじっとしてる。虚無というのは自分につけた名前だった。我々は同族だという意識から相手に名前を与え眷属…

ヴァ冬の終わりに

納得のいく馬が走っているのを見て人々が我を失って叫んでる様子を後ろから見ている。我とか死とか覚えてないって言ったって責任は取るしかない。責任を取る気がない者はここから退場するしかない。地球から衛星へと届き、また反射して地表に戻ってくる黄色…

ウタハマア3

望むと望まざるとにかかわらずこういう文章になった。昔はタイムラインに流れる水を頬を伝う涙だと思ったけれど今や夜に横たわる満天の星の川だ。死んでいったヒトヒトの骨を焼いて並べたようにも見えるぐらい輝いていた。僕が知ってる輝きって言ったらもう…

政治的な意味合い

原体験について書く。小学生の頃、毎晩報道ステーションを熱心に見ていた。当時は違った名前だったかもしれないが、とにかくその枠を見ていた。中学生の頃、学校のボランティア作業に駆り出されていた。自分から志願した派遣先もあったし、学校から指示され…

20220225

めちゃくちゃに飯を食う。めちゃくちゃにしたい胃袋を抱えて、あっ、あっ、歩いて飯屋に入る。フセッセー極まり、なにもない一日。飯食って寝て飯食ってる。半分ぐらい寝て半分ぐらい覚醒してる時、なんともいえない夢を見てトリップする。脳が揺れる。あー…

犬の末席

犬の限りを尽くしたのに。一人を噛み締める。かすかな言葉の揺らぎを追い求め、見誤る。──速度を抑える。地に伏せる。体は震えたり震えなかったり。どっちでもいい。人間よりも人間中心的な視線を人間に投げる。一旦は家畜化された種としての僕、解き放たれ…